今回はファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡です。
実は、発売当時の2005年頃に何周か遊んでいましたので、
今回が初プレイではありません。
直接の続編である『暁の女神』が未クリアの状態でしたので、
そちらを遊ぶにあたってストーリーを振り返っておこうと思ってはじめました。

ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡 公式サイト



記事の性質上ネタバレが含まれますので、
閲覧の際はご注意ください。


◇総評◇
満足度 86%★★★★☆(50%が個人的に楽しめた最低ライン)
敵全滅や敵将撃破、制圧など従来の勝利条件のマップの他に、
索敵マップや防衛、離脱、到達マップなど幅広く楽しめる!
難易度もノーマル(初心者向け)からマニアック(上級者向け)まで揃っており、
シリーズに慣れていないユーザーでも徐々にステップアップしながら楽しめる。
ストーリーも種族間の対立や差別、戦争で受ける敵国・自国の被害など、
シリーズの中でもなかなかシビアなところが描写されており、
だからこそクリアで得られるカタルシスもある。
クリア後、仲間になった仲間の公式イラストをゲーム内で閲覧でき、
さらに条件が整えば、過去のGBA作品のイラストも閲覧可能なのは素晴らしい。
(ただし、聖魔は一部キャラのみ。また、現在は条件を揃えるのが困難か。
しかしながら、作品内で解決しない謎や張っただけの伏線
仲間のエピローグがないなど、続編ありきで作られていた感が見受けられる
不遇だった斧が扱いやすくなったのはいいが、
剣士職が明らかに割りを食っており、力ステータスも低ければ武器威力も低く、
さらに必殺ボーナスもない上に、奥義も火力がないなら発動するだけ無駄になりがち。
幸いにして主人公アイクは力の成長率もそれなりの上に『天空』という、
相手の守備を半減にする効果もある奥義を習得するのが幸いだが、
他の剣ユニットを使っていくには、愛やこだわりで上げ底をする必要がある。
また、一応周回によってクリア後のトライアルマップで
使えるユニットが増えるという特典こそあるものの、
烈火、聖魔にはあった支援会話回想ができなくなっているのは残念。

「続きを読む」で各項目ごとに詳細を語ってます
□MAP攻略・育成要素などについて
数としては圧倒的に全滅撃破制圧などが多いのですが、
歴代のシリーズに比べると防衛マップが多めかなという印象を受けました。
5章、8章、13章そして17章のArea3(厳密には生存ですが)…
特に(ハード以上だと)索敵マップでもある5章や、シノンやガトリーが抜けた8章は
なかなかキツく、でも、うまくティアマトをつかっていけば
敵将撃破もできてしまうというかなりいいバランスのマップだったと思います。

また、それまでのマムクートのように、
石を武器として使って戦闘中に即座に戦闘形態になるわけではないラグズも、
非化身状態の際には体当たり要員としてパズルのように使えたり、
倒したくない敵などを引きつける囮として用いることができたり、
もちろん、好きなときに化身できる道具もあったりと、
いろいろ使えるのが面白かったです。
ただ、前半は確かに強いものの、後半になってくると
育ってきたベオクたちの方が強くなってくるので、もっと極端に強くても良かったかな、と。

クリア後に遊べるようになるトライアルマップは、
本編では少ししか使えなかった竜鱗族を使えたり、
周回によって敵将を使うことができたり、
あとを気にせず強力な武器やアイテムを使いまくれるのは爽快です。
ただ、後述するように本編中では育成きれないユニットが多いため、
聖魔のようにはいかないのが惜しいところでしょうか。

育成に関しては、従来のような闘技場などで
ほぼ無限に経験値を稼げるようなものがないため、
基本的には限られたユニットを育成していく感じになります。
早めにクリアしたり条件を満たすことで獲得できるボーナスEXPを
章と章の間の拠点メニューにて割り振ることも可能ですが、
もちろんこれにも制限があります。
難易度にもよりますが、スタメンの10数人だけでも
全員MAXにするのは結構難しいので、
とにかく全員MAXにしたいという方には物足りないかもしれません。
(もちろん、攻略上はそこまでする必要はありません)
逆に言うと、限られたユニットたちでどう戦うか、どう成長させていくか、
どのタイミングでバトンタッチさせるかなどの戦略を練る楽しみがあります。
ここらへんを、どちらも選べるようにしたのが、後のifだと思います。
(後述に関しては自主的に縛れば解決するでしょうから、売りにしなくても、と思うのですが…)
ただ、スキル…特に奥義系に関しては、
聖魔のようにクラスチェンジしたら自動でつくくらいでよかったかなとは思います。
それほど発動率が高くなかったり、
有用とも思えないようなものがある一方で、
アイクの「天空」は攻略上ほぼ必須といえるようなものもありますので…

2周目以降限定になりますが「固定成長方式」という、
各人の成長率や使った武器や装備しているアイテム、倒した敵などによって
Lvアップ時の能力上昇が決まるシステムを選ぶことができるようになります。
思わぬ良成長こそなくなるものの、
お気に入りのキャラなのにこの周は成長率が悪くて泣く泣くスタメンから外す…
みたいなこともなくなり、精神衛生上とてもありがたかったです!
以降の作品にも選択式でいいので、取り入れて欲しかったですね…
(ifのルナティックは周ごとに成長が決まっている方式なので、
 似ているけれども異なるものだと思っています。
 スマホゲームのヒーローズはある意味固定成長方式ではありますが…)

□ストーリーについて
亡国の王女を助け祖国を再興するというFE的王道ストーリーの中に、
ベオクとラグズという種族間の対立や、
古い大国の腐敗している様子や、自軍が敵国にどう見られているかなど、
なかなかシビアな背景が描かれており、大変面白かったです。
本編中でしたら、
神使たちがエリンシアたちをからかったかのような言動をした後に
アイクが激怒するところだったり、
敵国に攻め入った際、足止めに使われた領地の民が
アイクたちを非常に憎んでいる様子が描かれたり…

ただ、今でこそ直接の続編である暁の女神が出ておりますが、
「サザの探し人とは?」
「ベウフォレスとは何者なのか?」
「漆黒の騎士とは何者なのか(なぜ便利グッズをたくさん持っているかとか、父との因縁とか)」
「怪しすぎるセフェランの動向と言動」など、多くの伏線や謎を残し、
シリーズ恒例の仲間のその後が語られず、セフェランの不穏な言葉で締められるため、
クリア後の後味がいまいちよくないなど、
明らかにこの作品内で完結させる気がないような描写があったのは残念でした。
確かにアイクという人物を主人公にした場合、
そこらへんは明らかにならなくても彼の物語は完結したのかもしれませんが、
プレイヤーとしてはもやもやが残ります。


□キャラクターについて
この作品のテーマの一つに種族間の対立があるのですが、
主人公アイクがそういうことを気にしない性格であるため、
その部分を担っていたのが、ジル(とレテ)だったかなと思います。
生まれた国(主人公たちの敵国)が、特にラグズに対して差別的な国で、
その教育方針通り、何の疑問も持たずに彼らを敵視していたものの、
成り行きで主人公たちと行動をともにするようになり、
実際のラグズを自分の目で見て、知り、共に戦い…
バックグラウンドは全然違いますが、烈火の剣でいうところのニノのような、
影の主人公のような位置づけだったかと思います。
本筋の中でも上記のようなことが描かれますが、
ミストやレテとの支援会話で、彼女の心情がより描かれており、
とても好きなキャラクターになりました。

レテは本筋ではそれほど描かれていませんが、
アイクやジルとの支援会話の中で徐々にベオクに対して軟化していく姿が描かれ、
ライからもそのことを指摘されていたり、と、
上層部だけの仮初めの友好だけではない、現実の絆が築かれて行く様子が良かったです。

エリンシアの好意に気づかず…、なのか、立場の違い等から
敢えてスルーしたのか、恋愛感情に鈍そうなアイクが、
ティアマトが心に抱える想いを知っていたり、
憎まれ口ばかり言うシノンが、
自分を慕ってくれるヨファやガトリーに対して相応の感情を返していたり、
実力のあるティアマトのことはしっかりと認めていたり(対戦会話)、
自国の民のため偽悪的な振る舞いをしながらも、
幼馴染の前では素の顔を覗かせることもあったり
(彼は例によって最終的に主人公側に討たれるかと思いましたが)、
他にもいろいろと魅力的な人物がたくさんいて、
支援会話も集めたかったのですが、あとで見返す機能がない…!

個人的にはアシュナードがただ単に争いを望んでいるだけだったように見えて、
FE恒例の勧善懲悪とは言い切れない部分が描写されていないのが気になりました。
生まれに左右される世の中が気に食わない様子なのは語られていましたが、
ただ純粋に悪逆非道である(主人公の目からはそうなのでしょうけど)というのが、
FEらしくないといいますか…

□まとめ
ゲームバランスが良く、ストーリーも良いので、
今となってはなかなか遊ぶ機会に恵まれないというのが非常に惜しい作品です。
VC配信か、暁の女神とセットでのリメイクがされて、
多くの方に遊んでもらいたいなと思います。