今回はファイアーエムブレムifです。
このゲームはパッケージ版ははじめから『白夜王国』と『暗夜王国』に分かれていて、
例えば、『白夜王国』を購入した場合、『暗夜王国』のストーリーを
DLCの一環として購入できるという風になっています。
(DL版やスペシャルエディション版を購入した場合は、
運命の分岐点にてどちらかを選んで遊ぶことになります)
この2つの他にも、第三の道として、どちらも選ばず、
『透魔王国』という暗夜・白夜ともに存在がほのめかされていた国を
舞台とするルートも存在します。
こちらも白夜王国、暗夜王国と同じくらいのボリュームになっていて、
他のDLCとは一線を画しています。

私は、この3編をすべて遊びました。

記事の性質上ネタバレが含まれますので、
閲覧の際はご注意ください。


◇総評◇
満足度 80%★★★★☆(50%が個人的に楽しめた最低ライン)
シリーズ初心者やさっとストーリーだけ確認したい人から、
戦略などの手応えを求めたい人まで、幅広い層が楽しめるゲームデザイン!
支援相手のキャラのクラスになれるアイテムなど多様な育成要素と、
その支援会話を含めた豊富なメッセージでキャラクターがかなり掘り下げられている!
一方のルートでは見えなかったものが、他方のルートではわかるという多角性も素晴らしい。
しかしながら、そういった作り込みに反して、
ストーリーは3編に分けたせいか、いずれもかゆいところに手が届かない状態。
また、前作『覚醒』や『聖戦の系譜』で好評だった子どもユニットにしても、
参戦のさせ方が現代に生きる我々からすると賛同しかねる
現在の戦況など、過去作ではOPデモなどで視覚的にわかりやすかったのに、
基本的に軽い会話劇だけになってしまったのが残念。
また、前述の多角性を楽しむには、少なくとも2編を遊ばないと味わえない
3編買うと、お値段は結構なものになってしまう。
入り口を広く設けたのはいいものの、それだけでは全てを味わえないのは歯がゆい。
(ポケモンなどのように、仲間にできるキャラが違うだけのものではないので)

「続きを読む」で各項目ごとに詳細を語ってます
□MAP攻略・育成要素などについて
前作のダブル・デュアルを、
より戦略性の高いものへと昇華させた攻陣・後陣や、
仲間同士の絆を深めると発生する支援関係から使用可能となる
マリッジプルフやバディプルフなど、数々の要素はとても楽しかったです。
(いずれも難易度ハードでの感想)

白夜編:3/5
→全体的にシリーズ初心者や、
今までのFEが少し難しいと感じていた人向けの難易度でした。
自由な育成が売りであるルートであり、
確かに『遭遇戦』によって
軍資金や経験値を稼ぐことができるのですが、
難易度がそれほど高くないので、
そこまで育成する必要がなく、イマイチやりがいに欠けました
また、自由な育成ができるとはいえ、暗夜の兵種はあまり使えないので、
今までのFEを遊びたかった(=暗夜の兵種になじみがある)人たちには物足りないかも?

暗夜編:4.5/5
→今までのFEシリーズのマップ攻略を楽しんできた人向けの難易度でした。
劇中でリョウマが暗夜王国のことを「卑劣な策を使う」と評しているのですが、
ゲーム中は白夜の忍者たちが仕掛けてくるデバフや、
物理・魔法両方を使いこなす優秀な職業が多かったり、
彼らの方がかなり卑劣とも思えてきます…(笑)
軍資金も経験値も自由に稼げるわけではなく、
DLCを使わないのであれば、誰を使って誰を二軍落ちさせるか、
それぞれに担わせる役割を考えて、育成プランを練っていかないと厳しいのが、
面倒でもあり、FEらしく楽しいところでもあります。
特に10章や25章が難しいと感じましたが、10章はそれゆえ面白かったですね。
もう少し、戦力が整った状態での防衛戦もやってみたかったですが。

透魔編:4/5
→白夜編、暗夜編どちらのユニットもその多くが仲間になる上に
遭遇戦もあるので本当の意味で自由な育成ができるシナリオでした。
(ただし、どちらで遊ぶにせよ追加購入は必須
MAP難易度は難しくはないものの、
一部、竜脈を使った仕掛けなどのギミックが多く、
MAP攻略に積極的に王族のキャラを入れる必要があるので、
せっかくの自由に制限がかかったり、少し面倒に感じるかもしれません。

□ストーリーについて
大筋のストーリー自体は悪くないと思うのですが、
ファイアーエムブレムという
キャンペーン型のゲームへの落とし込み方がイマイチだったかと思います。
3編に分けたことによりリソースが割けなくなってしまったのか、
説明不足・描写不足な点が目立った印象です。
例えば、白夜編序盤の戦況だったり、
(主人公が負傷兵の手当に向かったのはいいのですが、
本格的に戦争になった直後のリョウマ、タクミ、ヒノカが何をしていたのか、
どんな話し合いがあってそうなったのか、そもそも作戦会議などなかったのか、など)
暗夜編でガロン王の明らかにおかしな命令に、
なぜそうまでしてきょうだいたちが従っているのか、とか、
(正気だった頃のガロン王がどれほど慕われていたのか、
マークスたちが彼をどれほど尊敬していたのか、などを
せめて村人などに語らせるとよかったのでは?)
透魔編は白夜・暗夜両編を遊んでいることを前提に作られていることを考えると、
マークスとレオンが主人公たちに合流してくるのに納得がいかなかったり、
ひょっとしたら暗夜きょうだいたちよりも家族同然に育った、
ストーリー上で離脱もしてしまう可能性があるギュンターやリリスとの絆だったり…
言い出したらきりがありません。
もしかしたら、すべて、
「カムイがきょうだいのことで頭が一杯になっている」描写なのかもしれませんが、
プレイヤー側としてはもっといろいろ見たかったなと思います。
もちろん、FC時代のゲームなどはもっと描写が少なかったわけですが、
それは少ない容量をやりくりしていたからであり、
最近の作品に関しては
「そこに力を割くなら、こっちにも力を入れてくれ」といえるようなことが多いので、
別の話ということになります。

□キャラクターについて
支援会話やマイキャッスルでの会話が豊富なので、
仲間になるキャラクターに関しては、そのキャラクターを気に入って
いろいろな人物と支援を結ばせるなど、
たくさん使っていけばいくほど理解できる仕組みでよかったです。
残念なのは、前述したギュンターやリリス、ガロン王ですね。
村や民家を訪問しても、戦を伝えに来てくれたことの謝辞にとどまり、
従来の作品で聞けた住民の愚痴や噂話などがほとんど聞けないので、
主人公もプレイヤーもずっと世間知らずのままでゲームが終わってしまいます。
ガロン王に関しては、従来の作品であればこういうところで情報を聞けた気がするので残念です。
ギュンターやリリスに関しては、もっと主人公に思い出してもらうしかないのですが、
透魔編の前半部分でももう少し主人公とストーリー上で会話してくれたりして、
主人公とギュンターしか持っていない絆をプレイヤーに共有させてほしかったと思います。
(特に、透魔編ではなぜかギュンターと支援会話が発生しないので…。
これに関してはシナリオ上、負傷させて戦場に出なくさせる予定だったのが
変更になったのではないかと思えるくらい不自然でした)
個人的に、最大に嫌だったのは、主人公の血縁についてです。
これが例えば、透魔編のみで明らかになる事実であれば、まだ良かったのですが、
よりにもよって白夜編で、それほど難しいことをせずに分かってしまうので、
人によってはその道を選んだ理由を覆しかねません。
暗夜編では誤解したままになるというのも…
直接のストーリーではないですが、
子どもユニットの誕生から参戦に至るまでの経緯も勝手が良すぎる…
彼らのキャラクターはよかったのですが、
ちょっと私の感覚には合わないような気がしました。

□DLC(他ルートも含む)について
個人的に、ファイアーエムブレムifに関しては、
白夜王国だけでも暗夜王国だけでも不完全だと思いますし、
何ならこの2編だけでも不完全だといえるかもしれません。
商業的な理由がいろいろあるとは思いますが、
「気に入ったら、別のシナリオも買ってみてください」というよりも、
他ルートシナリオは最初から入っていた方がいいなと思っています。
絆の暗夜祭・白夜祭や新しいクラスが得られるものなどに関しては、不満はありません。
見えざる史実や泡沫の記憶に関しては微妙なところではありますが、
こちらはあくまでも補足(人によっては蛇足に思えるかも?)にとどまるため、
「作品を気に入った人」が購入するという方向でも良かったように思います。
経験値や軍資金、武器などが得られるMAPはDLCでもちろんいいのですが、
経験値を得られるMAPに関しては、
敵がえげつないスキルを持っていたりして自由に稼げなかったり、
武器などが得られるMAPも敵が宝箱を奪って離脱するために急がされたりと、
目的に対して不便な点が目についたのが(攻略のし甲斐を求めているわけではない)、
少々不満でしょうか。
シナリオ進行に伴い、MAP難易度が上がるのではなく、
いくつかの難易度を設ければよかったかと思います。
(次作にあたるehoesでは難易度が分けられていますが、
販売まで分けなくとも…と思いました)

□まとめ
いろいろ不満な点を多く書いてしまいましたが、
ゲームデザインや仲間キャラクターの描写など秀逸な点が多く、
それをつなぎ合わせるストーリーにさえ目をつぶれば、かなりの良作でした。
残念なところはありましたが、
3編すべて遊び、見えざる史実や泡沫の記憶などのDLCも購入し、
クリアするまでに至り、たっぷりと楽しめました!
これから新作もリリース予定とのことですので、期待しています。