CLOCKZERO~終焉の一秒~というゲームの考察です。
ネタバレというか、全てを知った前提で書いていますので、
これからプレイする予定のある方は続きを読まないことをオススメします。
特に鷹斗と理一郎のネタバレがひどいです。
(終夜、寅之助、円はそれほどではないと思いますが、
うっかりぽろっとネタバレしてしまってる可能性があるのでご注意)


理一郎は、政府とも有心会とも違う目的があって動いているので、
小学生partでの登場頻度に比べて、他ルートに入ったときに、
理一郎が出てくることはほとんどありません。

政府の人間も有心会の人間も、良くも悪くも今を生きているのですが、
理一郎は(まあ結果的には「今」につながりますが)
過去のために生きている、そんな感じです。

おそらく政府ルートに入った理一郎は、
この世界に来てしまった撫子を確保しようと画策しているでしょうが、
有心会ルートの理一郎は、彼のルートでなくとも
撫子が事故に遭うことがないように、彼女自身には隠して、画策しています。

これはおそらく、小学生撫子が
壊れた世界につれてこられる前から続けていたのではないかと思います。

この理一郎の行動ですが、鷹斗ルートにて、
そんなことをしても事故に遭わなかった時空ができるだけであること、
すなわち、たとえ助かった撫子がいるとしても、
それは事故に遭った時空であるこの撫子ではなく、
違う時空の撫子であり、鷹斗自身は嬉しくない、
俺にとっては無意味だという風に言われてしまいます

(細部が違いますが、おおよそこんな意味だったと解釈しています)

しかし、理一郎残留EDで明らかになりますが、
理一郎たちが撫子が事故に遭う元凶である黒幕と撫子の接触を避けると、
世界が再構築され、壊れた世界が元通りになるというか、
理一郎と撫子以外の誰にとっても、あの世界がなかったことになります
感想記事を書いていたときに理一郎ルートをプレイしていたのが
結構前だったので、「あれ?」と思ったのですが、
鷹斗の言っている理論には、特例の存在が抜けていたのでした。
つまり、世界が壊れる原因となった出来事―大災害や戦争などが
起こらなくなるような過去改変をすることによって、近似値の時空が
一斉に再構築されることがある、
とのこと。

撫子が黒幕と接触→撫子が事故に遭う(事故に遭わせる)
→鷹斗が時空転移の研究をする→量子爆発→世界崩壊

という因果関係があるため、撫子と元凶の接触を避けたことで、
「世界が壊れる原因となった出来事」を改変することとなり、
特例により、世界が再構築された。

鷹斗の説明だけを聞くと、
鷹斗の行動の理由には3つの可能性があるのでは、と推測できます。
第一は、まずこの特例の存在を知らなかったから。
過去改変による結果の原則だけしか語らず、特例については語っていなかった。
しかし、これは撫子の理解度に合わせるためだったとも考えられます。

第二は、本編の方法(違う時空の撫子の意識を転送させる)が
鷹斗にとって手っ取り早かった
から。
何せ鷹斗には結局黒幕の特定ができませんでした
そこまで疑り深い人間ではないというか、
まあ、一般的な感覚からして、愛する人を取り戻す研究に
献身的に協力してくれた人物こそが、
その愛する人を自分から奪った黒幕だった
とは思わないでしょうね。
だからこそ、疑いもしなかったのだと思います。
終夜のように黒幕の特定さえできていれば、
自分の研究こそが世界を壊したのだという自覚がある以上、
壊した時空のみならず、他の時空、ひいては自分の存在にすら
影響を及ぼす危険の大きい方法をとることはないのではないでしょうか。
(あの時空の時間を停滞させたままでいると、そのうち壊れる、
ということは、過去改変の特例のように近似値の世界が改変され、
その影響が、キングの君臨する世界にも及びかねないのでは?)

第三は、第二の派生というか、補足みたいな感じですが、
撫子の事故を回避したくらいでは、理一郎残留ルートのように
特例が起きることはない、と鷹斗が考えていた
から。
理一郎残留ルートでも理一郎と撫子が、自分たちがしたのは
撫子の事故を回避したことにはなるけれども、
大災害や戦争を回避したような大きいことをしたわけじゃない、
と驚いているシーンがありました。
このルートの二人は、なぜ撫子が失踪したかも分かっていないので、
(理一郎は薄々気づいてそうでしたが、仮にそうだとしても、)
鷹斗の研究によって量子爆発が起こり世界が崩壊したことは
もちろん知らないわけで、こういう風に驚いているのだと思います。
しかし、鷹斗は病室から撫子をさらった張本人であり、
撫子を救うために実験をして世界を壊した、という自覚もあります。
ですが、鷹斗ルートBADのひとつ「Timeless World」や、
円ルートBADのひとつ「消えたティーカップ」を見る限り、
仮に撫子の事故が、あの日、起こらなかったとしても、
何らかのきっかけにより、「鷹斗が時空転移の研究をする」からの
因果の流れが発生してしまう可能性も、
同時に認識していたのではないでしょうか。
そもそも鷹斗は黒幕を特定できていないのですから、
事故を回避しただけでは、何らかの形で再び撫子が危険な目に遭い
「鷹斗が時空転移の研究をする」ことになってしまいますが、
たとえ黒幕を特定できたとしても、正常な鷹斗ルート以外の鷹斗なら、
それこそ、黒幕が一切関わらない、普通の事故、
あるいは病死でさえも「鷹斗が時空転移の研究をする」に至りそう
です。
(理一郎残留ルート及び、他キャラの現代帰還EDを見る限り、
幸いにもそういった事態には陥らなかったようですが)


つまり結果から見れば、鷹斗がやるべきだったのは、
終夜や理一郎がしていたように黒幕を探り、原因を排除することだった

その瞬間に立ち会ってさえいれば、理一郎たちのように元の意識を保ったまま、
動いて喋っている撫子に会って、鷹斗帰還で最後に彼が言っていたような、
なんでもない毎日を過ごすことができたかもしれません。
しかし、鷹斗には黒幕の特定ができなかったし、
何らかの理由により特例が起こりえないと思っていたので、
あの方法をとるしかなかったのでしょう。
いくら神がかり的な天才でも分からなかったことがある、と考えれば、
個人的にはすっきりするのですが、みなさんはいかがでしょうか?

結果論からすれば、理一郎ルートの終夜と理一郎こそ、
CLOCKZERO世界の救世主ともいえる存在
なのでしょう。
終夜は悲願がかなったことになるけれど、
その記憶は再構築された世界では残っていなさそうですね。
(不完全な時空転移の弊害は再構築された世界では起こらないでしょうが)

理一郎本人は世界を救ったなんて自覚はなく、
むしろポカーン(゜Д゜)という感じでしょうねw
「これでよかった・・・のか?」と一生思いながら生き続けそうです、
少なくとも理一郎帰還ルートでは、
壊れた世界の思い出を共有できる人が誰一人としていないのですから。

理一郎残留ルートでは、撫子が過去改変の特例に立ち会ったため、
他のキャラの帰還EDでは分からなかった、
「男性たちの行動によって、撫子の事故を回避したことにより、
壊れた世界に影響が出たか否か」が明らかになっているわけですが、
おそらく、どのキャラクターとの帰還EDでも、男性らの行動によって、
「世界が壊れる原因となった出来事」が変わっているため、
近似値であるあの壊れた世界は、理一郎残留EDのように、
ほとんどの人の記憶から、なかったことになっているのでないかと思います。

帰還EDの男性たち、及び、残留EDの理一郎は、
愛する人を救ったついでに、世界を救っちゃったヒーロー?
だからこそ、一応どの男性であっても帰還EDは、
最終チャプターと同じ名前であり、最終ED「未来への物語」的にも
残留EDよりも正規EDっぽい扱いを受けているのかな、と、改めて思いました。

まだ円が帰還ED後、どうやって撫子の事故を回避したのか、
さっぱり分からないのが気になりますけど、永遠の謎とすべきなのかw

あー、あと寅之助によって改変され再構築された世界は、
鷹斗が存在しない世界なのかなぁ・・・。
パッケージに堂々といるメインヒーローなのになぁ・・・